照明設計は、ICE都市環境照明研究所の所長・武石正宣氏が三菱地所設計と協同にて担当。武石氏は、現代の質や、東京大手町という場所を意識しつつも、日本旅館のイメージを感じられるように、迎え入れる光、一息つく光、滞在する光、語らい合う光等の照明デザインを考えました。外装は麻の葉をモチーフにした抜き型で覆われたファサードを、グラデーションで包むようなアッパーライトで建物を浮かび上がらせています。
さらに、エントランス空間では、どこか提灯をイメージするような立体造形を行った和紙のペンダントと、市松模様のように照明を配置した造作壁でお客様を迎え入れます。
プライベートな空間である客室では、落ち着きのある和の空間を演出しています。障子越しの間接照明で照らす、お部屋までの畳廊下。室内では天井に間接照明を取り入れながら、行灯をイメージした江戸小紋の矢羽根柄スタンドライトにより、低い位置からの光で、落ち着いた照明にしています。また、吹き抜けが特徴的な露天風呂では、壁面からの間接光を当て、上を見上げながら一息つける空間を作り出しています。旅館本来の、滞在する、逗留するといった、長い時間を過ごしても、落ち着いた時間の過ごせるような、和の光をベースとした照明デザインに仕上げています。