内装設計及び外観デザイン協力は、東環境・建築研究所の代表・東利恵氏が担当。4つの『星のや』を手がけてきた東氏をはじめとする星のやデザインチームと、大規模建築設計を得意とする三菱地所設計、NTTファシリティーズチームがそれぞれの得意分野を生かして一丸となり、取り組んできました。
今回の意欲的な事業のコンセプトは首都東京に旅館を作ること。東京にあるべき日本旅館を「星のや」流にどう表現するかが重要なテーマでした。まず、日本旅館という文化を「靴を脱ぐ」という行為を通じて象徴的に表したいと東氏は考えました。玄関で靴をぬぎ、畳を踏みしめながら客室に案内されるというプロセスは大事な文化的な経験と考えました。客室は畳での新たなくつろぎを提案した造りであり、現代の生活にあわせた快適性も兼ね備える部屋としてデザインしています。客室に限らず、パブリックエリアを含め、日本的なくつろぎ方を提案する空間がいくつも準備されています。
外観は江戸小紋のモチーフをイメージしデザイン。江戸小紋は、遠目では模様がわかりにくいですが、近づくと模様があでやかに浮き立ちます。江戸時代に生まれた日本らしいデザイン表現を外観で演出しています。全体としてはオフィス街の中にそっと置かれた繊細な重箱のように、その足下に立つとその模様がより立体的に浮き立つような「星のや東京」。新しい東京発信の旅館スタイルを世界の方々、日本の方々に体験していただけるような設計になっています。