キャンプ体験の良い思い出を持つ人は沢山いますが、キャンプに行く人は少ない。思い出の中にある体験には惹かれるのですが、今キャンプに行こうとは思わない。それはキャンプにはトレードオフがあるからです。周りの自然を感じながら滞在する、野外バーベキューで食をとる、夜は火を囲んでワインや音楽を楽しむ、という時間はキャンプの醍醐味です。しかし、これらとセットに厄介なことが付いてくるのです。食事あとの片付け、火おこしとその始末、暑い寒い、雨だと最悪な体験に変化、テントの中の虫、快適でないトイレ・・・とネガティブな要素を考えると「キャンプのことは忘れてしまおう」となります。
私たちが挑戦しようとしているグランピングとは、『ラグジュアリーなキャンプ』。それは、キャンプの良いところを伸ばし悪いところをなくしたリゾートサービスです。星のや富士では、日本初の本格的グランピングリゾートとして思い切った設計をしています。テント地を排除したキャビン(客室)は、空調設備・バスルームを完備し快適な滞在を維持します。しかし同時に、キャビンの約1/3の面積を屋外化し、火を楽しみながら滞在していただける空間を作りました。そしてキャンプ醍醐味のエッセンスの数々は、敷地内の斜面を登って行くと森の中に登場する「クラウドテラス」で提供されます。星のや富士では、グランピングの新たな定義を模索し進化していこうと考えています。