ヴィラの灯り、集落内の照明を手がけたのは、ICE 都市環境照明研究所所長、武石正宣氏。照明は、ウブドの自然にある深い闇のなかで、天に瞬く星と共存できるような居心地の良さを追求しながら、印象的な照明デザインにしたいと考えました。
ヴィラをはじめ、星のやの集落や建物にある全ての意匠的な明かりのの仕上げは、バリのものにこだわりました。バティックの布や、たたいて磨き上げた鉄、銅。バリ島の職人が手がけた木や石の装飾も用いられています。バリの伝統的な工芸は、照明と融合することで、厳かなほど美しい陰影を生み出し、工芸から広がった光は、その空間を緩やかに照らし出します。
ヴィラで一番印象的なのものは、壁面に配された大きな木の透かし彫りを映し出す光。上部前面と下部後面からの間接的な光で浮かび出る、精緻な工芸が間近に迫ります。ヴィラから広がるガーデンテラスは、ペンダントやブラケット照明によるデザイン性や陰影を用いて、プライベイトな空間のなかで過ごしているようなイメージに。そのガーデンテラスの奥に広がる運河も、夜は落ち着いたリビングの延長と感じられるような照明を設えました。全ては、ウブドの集落での滞在がより感動的に映し出されるようにと、照明デザインを心がけました。