環境設計を担当したのは、オンサイト計画設計事務所代表、長谷川浩己氏 。星のやバリの土地は、ウブドの東側に広がります。平らかな土地が急激に深く谷底の渓流へと切れ込む、バリらしい地形を生かして、大きく2つのゾーンを構築しました。
平坦な場所は、ヴィラが立ち並ぶ宿泊ゾーン。このゾーンは、それぞれが大きなプールに面している、3つのブロックからなります。ここはヴィラと生い茂る木々が創り出すもう一つの渓谷の風景であり、水面はプールというよりは沐浴の泉のよう。この泉は、ヴィラから続くプライベートなプールと、運河のようにゆったりとしたパブリックなプールがゆるやかに一体化したもの。ヴィラから泉を眺めると、いつしか庭の一部となりながら、深い渓谷へと視線を誘う軸ともなっています。
深い渓谷に面した場所には、パブリックゾーンが広がっています。斜面上段にはバリの文化遺産であるスバック(用水路)が走り、それに絡むようにデッキウォークが続きます。ひっそりとした構えのレセプションに到着したゲストは、このデッキウォークへと案内され、突然バリの深い谷の風景に放り出されることとなります。このデッキウォークから更に渓谷を覗き込むように、まるで宙に浮かぶ鳥かごのようなカフェ・ガゼボに佇めば、バリの大地に刻まれた大自然と一対一で向き合うひとときを提供することが出来ると考えています。