環境設計は、オンサイト計画設計事務所の代表、長谷川浩己氏が担当。 この地は、京都でももっとも厳しい景観規制がかかったエリアである。建造物や自然環境など、従来の景観を維持しなくてはならないという立地の制約があったため、大切に守られてきた伝統をさらに発展させていくようなランドスケープデザインを考案することとなりました。
例えば、星のや京都の特徴のひとつである庭園。日本に息づく庭園という文化の根底には、洗練を突き詰めようとする動きと、従来のものを破壊して新しい定型を生みだそうという2つの動きがせめぎあっています。今回のプロジェクトでは、その両方を上手に取り入れ、厚い伝統があるからこそ魅力をもつ、新しさのある庭園づくりに挑戦しました。
おこがましいかもしれませんが、京都の伝統から刺激を受けつつも、新しい文化をつくっていきたい、そんな気持ちを胸に、まずは通路だった場所を庭園でありテラスである空間へと反転させることからはじめました。そこから京の庭師の技術と新しいディテールを組み合わせてみたり、古典的に見えてあまり使われていない素材を玄関先の敷石にしたりと、随所に新しい試みをちりばめています。