「星のや」の明かりを考える上で大切にしていることが二つあります。
一つ目は、逗留滞在を基本とする「星のや」において、施設内で過ごす方々に寄り添った照明であることです。
そのため、ランドスケープからパブリックエリア、客室に至るまで眩しさを抑えた光を丁寧に配置しています。
ゲストが光を浴びてしまう場を最小限に抑え、重心の低い光を中心にすることで、リラックスできる明かりを設えました。
二つ目は、その土地ならではの地域性をデザインに取り込むことです。
「星のやグーグァン」では、台湾が伝統的に持つ布や木工技術、工芸のイメージを建築的に積層するデザインとしました。
ゲストが最初に訪れるレセプションに始まり、全館に渡ってその印象的な佇まいを目にされることになるでしょう。
「星のやグーグァン」は、山々に囲まれた自然豊かな土地に建ち、敷地内のどこにいても水の気配を感じる造りです。
ランドスケープや露天風呂など外部空間となる場では、山間の星空を楽しむための光、静かな環境に溶け込む光を目指して最低限の明かりを添えています。上質な暗さの中でこそ引き立つ自然の美しさ、空間の伸びやかさを感じていただけることと思います。