5年前のある日、台湾の企業家からご連絡をいただき、グーグァンという場所でリゾートホテルを建てるプロジェクトに取り組む機会をいただきました。それまでグーグァンという場所には行ったことがなくイメージできずにおりましたが、行ってみると資源の宝庫でした。
グーグァンにはこの地域らしい様々な魅力はあるのですが、私がこのプロジェクトに特にポテンシャルを感じたのは、場所でも、自然でも、文化でもなく、温泉の質と湯量なのです。日本の温泉地で50室の旅館にこれだけ豊富な湯量を使うことができるケースはありませんでした。
温泉三昧ができる宿、それはこのプロジェクトの最初のテーマとなりました。客室半露天風呂という機能は今までもありましたが、それを超えて全室源泉掛け流しの客室浴場という前代未聞の概念でつくってみよう・・・という発想から始まっています。
プロジェクトが進むにつれて、日本的な大浴場、台湾のスパ、ウォーターガーデンの中のプールなどなど、自然と一体となった空間で楽しむアイテムが付加されていきました。「星のやグーグァン」、星野リゾートのフラッグシップブランドを付けたこの施設は、台湾を代表するリゾートホテルになると確信しています。